「部品が廃盤なので、レバーハンドルは交換できません」
新日軽コンポーレ1900DXで、そう言われたことはありませんか。
結論から言えば、ドアを加工することで、現在入手できるMIWA製の部品一式(鍵穴・レバーハンドル・錠ケース)へ交換できます。
この記事では、なぜそのままでは交換できないのか、どうやって交換するのかを、
実際に何度も加工してきた鍵屋の視点で説明します。
コンポーレ1900DXは、30年以上前のドアです
新日軽の「コンポーレ1900デラックス」は、
1985年8月から1992年7月まで販売されていた玄関ドアです。すでに販売は終了しています。
新日軽 コンポーレ1900DX とは
・販売期間:1985年8月〜1992年7月(すでに販売終了)
・現存する個体は製造から30年以上が経過
・鍵穴だけでなく、レバーハンドル・ラッチボルト・錠ケースも同年数使用
※LIXILの旧商品情報より(記事末尾に出典)
つまり、今使われているものは新しい個体でも30年以上が経過しています。
そして傷んでいるのは鍵穴だけではありません。
- レバーハンドル
- ラッチボルト(ドアを閉めたときに引っかかる、三角形の金具)
- 錠ケース(ドアの中に入っている、鍵の本体部分)
これらも同じ年数だけ使われています。
なぜ、そのまま新品に交換できないのか

原因は「バックセット」という寸法の違い
バックセットとは、ドアの先端から、鍵穴やレバーハンドルの中心までの距離のことです。
コンポーレ1900DXに使われている錠ケースは、
このバックセットが現在の一般的な製品と違います。
薄いアルミ製のドアに収まるよう、特殊な寸法で作られているためです。
当時はガラスを使ったデザインや、細身のドア形状を成立させる必要がありました。
そのための特殊な設計だったと考えられます。
問題は、この錠ケースがすでに廃盤になっていることです。
「寸法の近い部品」では、そのまま入らない
コバヤシでは、寸法の近い美和ロックのLAタイプ(バックセット38mm)を使って交換します。
現在のLAシリーズには38mm仕様があり、U9シリンダーも組み合わせられます。
ただし「近い寸法だから、そのまま入れ替えればいい」とはいきません。
古い錠ケースと新しいLAタイプでは、バックセットも本体の大きさも違います。
そのまま入れようとすると、こうなります。
- 位置が合わず、部品が正しく収まらない
- ドアに開いている昔の穴が、表から見えてしまう
だからこの交換には、ドアの加工が必要になります。
ドアを加工し、昔の穴はカバーで隠します

アルミドアを、新しい部品の位置に合わせて削る
作業は、古い鍵穴・レバーハンドル・錠ケースを取り外すところから始まります。
その後、新しいLAタイプの位置に合わせてドアを加工します。
加工する場所は3つです。
- ドア側面(錠ケースを差し込む部分)
- ドア表側(鍵穴とレバーハンドルが通る部分)
- 室内側(同上)
新しい錠ケースは古いものより長さも厚みもあるため、
側面の開口部を広げながら、本体が正しい位置に収まるよう調整していきます。
さらに難しいのが「昔の穴」の処理

バックセットが数mm変われば、鍵穴やレバーハンドルの位置もその分だけ移動します。
そのまま新品を取り付けると、昔の部品が付いていた穴が横から見えてしまいます。
機能的には使えても、玄関ドアとしては不自然な仕上がりです。
そこでコバヤシでは、既存の穴を覆える専用の化粧板(穴隠しのカバー)を使い、
その上から新しい鍵穴とレバーハンドルを取り付けています。
この化粧板は、ホームセンターで簡単に手に入るものではありません。
取引している問屋が用意している部材を使っています。
「できない」と言われる理由
この交換に必要なのは、新しい錠ケースだけではありません。
交換に必要な3つの条件
- どの現行部品なら、古いドアに収められるか判断できること
- アルミドアを正確に加工できること
- 昔の穴をきれいに隠せる化粧板があること
この3つがそろって、初めて交換できます。
同じコンポーレ1900DXでも
「鍵穴だけなら交換できるが、錠ケースやレバーハンドルまでは対応できない」
と言われるのは、このためです。
鍵穴だけ新品にしても、錠ケースは古いまま残ります
このドアで特に気をつけたいのが、「鍵穴はまだ使えるから大丈夫」という判断です。
鍵穴だけなら、状態によっては交換できる場合があります。
しかし鍵穴を新品にしても、ドアの中で動いている錠ケースまで新しくなるわけではありません。
こんな症状が出ていたら、錠ケースも要確認です
- レバーハンドルを下げても、ラッチボルトの戻りが悪い
- 以前より操作が重い
- 何度か動かさないと、正常に戻らない
これらは錠ケース側が消耗しているサインです。
最悪の場合、ドアが開かなくなります
ラッチボルトが完全に戻らなくなると、ドアを閉めたあとに引っ込まず、玄関ドアを開けられなくなることがあります。
外出できないだけならまだしも、
室内側から開けられなくなれば、家の中に閉じ込められる可能性もあります。
「まだ使えるから」と動かなくなるまで使うより、
操作に違和感が出た段階で、錠ケースまで含めて一度確認することをおすすめします。
交換部品を在庫しているので、即日対応できる場合があります

以前からこのタイプのご相談はありましたが、
最近はコンポーレ1900DXについての問い合わせが増えてきました。
そのためコバヤシでは、交換に使うMIWA製LAタイプの部品と、必要な化粧板を常に在庫しています。
事前に「新日軽のコンポーレ1900DXです」と分かっていれば、
必要な部品と加工工具を準備した状態で伺えます。
日程とドアの状態に問題がなければ、その日のうちに交換を完了できます。
加工が必要でも、作業は40分前後
「加工」と聞くと大掛かりな工事を想像するかもしれません。
しかし構造と加工位置が分かっていれば、交換作業自体は40分前後で行えることもあります。
短時間で終わるのは、作業が簡単だからではありません。
同じドアを何度も加工してきた経験から、
- どこをどの大きさまで切れば、新しい錠ケースが収まるか
- どの化粧板なら、既存の穴をきれいに隠せるか
これが分かっているためです。
古い玄関ドアでも、ドアごと交換とは限りません
新日軽コンポーレ1900DXで、こんなお悩みはありませんか。
- レバーハンドルが戻りにくい、垂れ下がっている
- ラッチボルトの動きがおかしい
- 鍵穴だけでなく、錠ケースまで交換したい
- 他の業者に「部品が廃盤なので交換できない」と言われた
ドアを加工することで、現在入手できる新品部品へ交換できる可能性があります。
お問い合わせ時に送っていただきたい写真
- 玄関ドア全体
- レバーハンドルと鍵穴
- ドアを開けた状態で、側面に見える錠ケースの金属板
この3枚があれば、コンポーレ1900DXかどうか、
現在の状態でどのような交換ができるかを判断しやすくなります。
「古いから交換できない」と諦める前に、
ラッチボルトが完全に動かなくなり、玄関ドアが開かなくなる前に、
一度状態をご確認ください。
画像確認・お見積もりは無料です。

参考資料
LIXIL ビジネス情報「玄関ドア・引戸 商品一覧」
新日軽「コンポーレ1900DX」は1985年8月〜1992年7月販売の商品として掲載されています。
https://www2.lixil.co.jp/rp/dfw/lixila1330ex/metalproductinfo/ui/drawing/DrawCateSearch.aspx
美和ロック「LAシリーズ 切込外観図」
LAシリーズにはバックセット38mm仕様があり、U9シリンダーを装着できることが確認できます。


