「このドアノブ、ネットで調べたらもっと安く売っているのに、どうして修理を頼むと値段が違うんですか?」
鍵やドアの修理に伺うと、こうしたご質問をいただくことがあります。今はメーカー名や型番が分かれば、誰でもすぐに部品の価格を調べられます。ネットの方が安いのを見て疑問に思うのは、自然なことです。
先に結論をお伝えします。価格が違う理由は大きく2つです。
- ネットやホームセンターの部品と、専門の問屋から仕入れる部品は、見た目が似ていても同じ物とは限りません(メーカー・型番・仕様が異なる場合があります)
- 同じ部品だったとしても、部品を買うことと修理を依頼することでは、受けられるサービスの範囲が違います
この記事では、カギとドア修理コバヤシの実際の修理体制をもとに、修理料金に何が含まれているのかを解説します。
ふだんお客様からは見えにくい部分も含めてお話しします。
この記事でわかること
- 「高い料金」と「不当な料金」を見分けるための確認ポイント
- ネットで部品を買う場合と、修理を依頼する場合の違い
- 修理料金に含まれている費用の内訳
- 自分で交換する前に確認したいポイント
ネットで部品を買うことと、修理を依頼することは何が違う?

ネット購入は「商品が届くまで」
ネットで部品を買う場合、販売店から商品が届き、取り付けは自分で行います。
販売店にも仕入れ・保管・発送の費用はかかります。ただ、現場へ出向いて故障の原因を調べたり、その場で交換したりすることは含まれていません。
出張修理は「原因を調べて、直して、確認するまで」
たとえば「ドアノブが壊れて扉が開けにくい」というご相談では、次の流れで対応します。
- 現場へ伺い、実際の状態を確認する
- どの部品に不具合があるのか、原因を見極める
- 適合する部品を判断し、修理・交換する
- 正常に動作することを、お客様にも確かめていただく
お客様は「ドアノブが原因」と思っていても、実際に調べてみると別の部品に原因がある場合もあります。
ここまでの流れ全体が、コバヤシの提供しているサービスです。
ネットで型番を検索できるのは、診断が終わった後
現場で不具合を調べ、必要な部品の種類や型番を特定すれば、その商品をネットで検索して価格を知ることはできます。
ただ、その型番が分かったのは、現場まで移動し、原因を調べ、適合する部品を判断したからです。
ネットに表示される部品の価格には、そこに至るまでの診断・判断・移動時間・取り付け技術は含まれていません。
その場で修理できるように、500個以上の部品を車に積んでいる理由

現場を見るまで、必要な部品は確定できない
鍵やドアの部品は、メーカー・型番・寸法・取り付け方法がそれぞれ異なります。
電話で症状を伺っても、現場で確認するまで必要な部品が確定できない場合があります。
そこでコバヤシでは、現場で部品を発注するのではなく、作業車に500個以上の部品を常に積んでいます。
適合する部品があれば、伺ったその日に交換できる体制です。
在庫・車両・2人体制にかかるコスト
この体制を保つには、次のような費用がかかります。
- 在庫: 多くの部品の仕入れに加え、使った部品をその日のうちに補充するため、事務所でも在庫を管理しています
- 車両: 作業車にはフォルクスワーゲンのゴルフヴァリアントを使っています。部品や工具を積み、1日に200〜300kmほど移動することもあります
- 人員: 運転担当と作業担当を分けた2人体制です。1人で動くより人件費はかかりますが、役割を分けることで、より多くのお客様のもとへ効率よく伺えます
1日に対応できる件数を増やすことで事業を続けながら、お客様一人ひとりには、できるだけ適正で負担の少ない料金でご提供する。これがコバヤシの目指している形です。
修理料金に関わっている主な費用
- 部品の仕入れ費用
- 移動・車両の維持費
- 在庫の確保・補充の費用
- 人件費・専門技術
- サービスを知っていただくための広告宣伝費
また、コバヤシでは基本料金や出張費を別途いただいていないため、それに相当する費用が部品代や工賃に含まれる場合があります。そのため、ネットの部品価格と、出張修理での部品価格は同じにはなりません。
同じ商品でも、提供されるサービスによって値段は変わる
コバヤシは、この違いを飲食店にたとえて説明しています。
スーパーで買うビールと、居酒屋で注文するビールは、同じ商品でも値段が違います。
居酒屋の価格には、お店の家賃・人件費・設備・接客の費用が含まれているからです。お客様もビールだけでなく、「その場で飲食できるサービス」を利用しています。
鍵やドアの修理も同じです。
- ネット購入: 部品が手元に届くまで
- 出張修理: 原因の調査 → 部品の選定 → 取り付け → 正常に使える状態の確認まで
自分で交換する前に確認したい3つのポイント(新規・プロの知見)
ネットで部品を買って自分で交換する方法も、選択肢のひとつです。
部品の適合を判断でき、工具と技術があれば、費用を抑えられる場合もあります。
ただし、次の3点は事前に確認が必要です。
- その部品で本当に直るか: メーカーや型番が合っていても、扉の厚みや取り付け寸法が合わないことがあります。そもそも故障の原因が別の部品にある場合もあります
- 合わなかった場合にどうなるか: 返品できるかどうかを含め、余計な費用と手間がかかる可能性があります
- 正確に取り付けられるか: YouTubeなどで手順は調べられます。ただ、手順を知っていることと、自宅のドアに正確に取り付けられることは別の話です
こんな場合は、無理をせずご相談ください
- 鍵がかからない、開かないなど、防犯や外出に関わる症状がある
- 部品のメーカーや型番が分からない
- ドアの閉まりが悪いなど、部品以外(ドアの立て付けなど)にも原因がありそう
コバヤシが現場で提供しているのは、部品選びや取り付けに関する判断まで含めた修理サービスです。
「高い料金」と「不当な料金」は同じではない

鍵の交換やドア修理では、料金トラブルが話題になることもあります。
初めて業者に頼む方が請求金額に不安を感じるのは、無理もありません。
ただ、ネットの部品価格より高いからといって、それだけで不当な料金とは判断できません。
一方で、出張費や工賃という名目があれば、どれだけ高額でもよいわけでもありません。
見積もりで確認したい3つのこと
- 何の部品を使うのか
- どのような作業を行うのか
- その料金が何に対して発生しているのか
大切なのは、作業内容と金額を理解し、納得したうえで依頼することです。
コバヤシも、ネットで部品を買って自分で交換する方法を否定するつもりはありません。
費用・手間・必要な知識はそれぞれ違い、どちらを選ぶかはお客様の判断です。
そのうえで、部品を買うだけでは解決できない問題があるからこそ、出張して原因を調べ、修理する専門業者がいるのだと考えています。
私たちが提供しているのは、お客様を「元の生活に戻すこと」

取材の中で、コバヤシが仕事について話した言葉があります。
「私がやっているのは、元の生活に戻すこと」
それまで当たり前に使えていたドアノブや玄関の鍵が、ある日突然壊れ、ふだんどおりの生活ができなくなる。
そんな時に現場へ伺い、原因を突き止め、必要な部品を交換して、また普通に使える状態に戻す。
修理をしたからといって、生活が以前より豪華になったり、特別に便利になったりするわけではありません。
ただ、壊れる前の当たり前の日常を取り戻すことはできます。そのために部品を準備し、技術を磨き、工具と車両を整えて、お客様のもとへ伺っています。
まとめ
- ネットの部品価格には、診断・部品選び・移動・取り付け・動作確認の費用が含まれていません
- 修理料金には、在庫・車両・人員など、その日のうちに直す体制を保つための費用が含まれています
- 料金が適正かどうかは、使う部品・作業内容・料金の内訳を確認して判断できます
この違いを知っていただくことが、修理料金を考える際の判断材料になれば幸いです。



