施工画像
ドア本体が完全にずれ落ちてしまっている
サイズの合うボルトやビスを数ある在庫から探すコバヤシ
ビスを打ち込んでズレ落ちた本体を元の角度に近づける
依頼者様の詳細
- 住所: 埼玉県上尾市
- 名前: I.J様
- 施工月: 2025年7月25日
- 住宅種別: 一戸建て
依頼内容(お客様の困りごと)
築10年になる戸建て住宅にお住まいのお客様から、「玄関ドアがズレてしまって開け閉めが重くなった」とのご相談をいただきました。
最初は「なんとなくドアが下がったような気がする」という違和感から始まったそうです。
実際、強風のあった翌日から症状が悪化し、開閉のたびに引っかかる感覚が強まり、次第に家族全員が「明らかにおかしい」と気づくようになったとのことでした。
お客様は以前、同様の症状で近隣の鍵屋に来てもらった経験がありましたが、その際は「これは丁番が歪んでいるので直せない。ドアごと交換になりますね」と言われたとのこと。交換…? そこまでの大ごと? でもドアが開けづらいのも不便だし、放置するわけにもいかない──
悩まれていた矢先に、弊社の施工事例をWEBでご覧いただき、「もしかしたら修理で済むかもしれない」と、お問い合わせをいただきました。
コバヤシのご提案
現地調査で玄関ドアを詳しく拝見したところ、やはりドア本体が外側に引っ張られるようにズレており、その影響で丁番の軸受け部分に歪みが発生。
ドアの自重が下方向に傾いたことで、丁番の金属部に力がかかり、支点が少しずつ変形している状態でした。
また、ドアの閉まりが悪い状態で使い続けたことで、ドア枠の一部にも負荷がかかり、開閉時に「ゴッ」という鈍い音が鳴っている状態。これはドア自体が“物理的に落ちている”ことで、建具同士が擦れてしまっているサインです。
こういった状態になると、通常は「玄関ドア一式の交換」が提案されます。
ドア・枠・丁番すべてを取り外し、メーカー発注で新たな部材を取り付ける大工事です。
費用も部材だけで50〜60万円ほど。工事も1日では終わらないケースがほとんど。
しかし、今回のお客様は「できれば交換は避けたい」との強いご希望があり、コバヤシでは“ドアを外さず、現場で補修・補強を行う”という方針を提案させていただきました。
実際に行った作業内容はまずはエアジャッキを使用し、玄関ドアを慎重に持ち上げました。
ドアは約40kg前後あるため、ミリ単位の調整を繰り返しながら、徐々に本来の水平ラインに戻します。
ジャッキアップの際は、ドアの下部に傷がつかないようにエアジャッキを使用し、ドア枠へのストレスがかからないよう微調整を行いました。
- 次に、歪んだ丁番まわりを専用工具で調整。
この作業はただ叩けば良いというものではなく、金属の“戻り”や“伸び”を理解しながら行う必要があります。
むやみに力を加えると丁番が割れてしまうリスクがあるため、職人が金属の「鳴き」を確認しながら、慎重に修復。 - さらに、内部の金属ベースに「鍋ビス」と呼ばれる強力な補強ネジを複数本打ち込み。
これによって、丁番の根本にかかる負荷を分散させる構造を作り、再発防止の役割も果たしています。 - 最終的には、丁番の軸の再固定と、全体の角度調整まで含めて施工を完了。
ドアの動きはスムーズになり、開閉音も「カチッ」と小気味良く収まるようになりました。
特筆すべきは、今回のような施工を「断られてしまった経験がある」ということです。
実はお客様、過去にもう一社に依頼をしていたそうなのですが、同じようにジャッキで持ち上げようとしたところ、途中で「これ以上は無理です」と施工を打ち切られてしまったとのこと。
それだけ、現場判断と技術が求められる繊細な施工です。ジャッキアップにしても、ただ上げれば良いわけではなく、“どの角度から、どのくらいの荷重で、どの順序で支えるか”までが重要。丁番補修も「位置を直すだけ」では不十分で、「構造全体としての強度をどう確保するか」がカギになります。
コバヤシでは、こうした“グレーゾーン”の修理こそ最も得意としています。
ドア交換よりも大幅にコストを抑えながら、確実な修理を実現する──
それが、私たちの提供価値です。
今回の施工も、部品交換ゼロ・工期1日・補強込みの完全復元で、お客様からは「交換しなくて済んで本当に助かりました。家族みんなで感動してます」とのお言葉をいただきました。
このように「交換と言われたけど、修理でいけないか?」というご相談は意外と多く、実は現場判断と技術で“なんとかなるケース”は少なくありません。
もし、似たようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度コバヤシにご相談ください。
最善の方法を一緒に探し、無理なく、そして確実に解決するお手伝いをさせていただきます。
