先日SNSでの投稿(藍月要さんが鍵を持たず家の外へ出たところ「SwitchBot顔認証パッド」がバッテリー切れで動作せず、閉め出されてしまった)を受け、SwitchBotが不備を認め謝罪したことが話題になりました。
真冬の深夜。
ゴミを出しに、ほんの数十秒外へ出ただけ。
スマホも持たず、上着も羽織らず、鍵も持っていない。いつものように無線のスマートロックがあるから大丈夫だと思っていた。
──しかし、戻った瞬間、ドアは開きませんでした。
アプリ上では電池残量「80%」と表示されていたにもかかわらず、突然の電池切れ。
低電力通知も出ていなかった。
顔認証もテンキーも反応せず、完全に沈黙。
これが実際に起きた出来事です。
SNSで拡散された無線SwitchBot顔認証パッド(非Proモデル)の締め出し事例は、多くの人にとって他人事ではありません。
これは単なる「機械トラブル」ではありません。
一歩間違えれば命に直結する問題です。
真冬に締め出されるということ
気温0℃前後の夜間。
薄着のまま1時間外にいれば、体温は急激に奪われます。
特に高齢者は体温調整機能が低下しており、低体温症の進行が早い。
心疾患を抱えていれば、不整脈やショック症状を引き起こす可能性もあります。
深夜であれば助けを呼べない。
スマホがなければ連絡も取れない。
近隣との付き合いがなければ、玄関前で凍え続けるしかありません。
「たかが締め出し」と思うかもしれません。
ですが、真冬の夜だと条件が重なればとても危険です。
真夏でも同じことが起きます
冬だけではありません。
真夏、35℃を超える炎天下で締め出されたらどうなるか。
高齢者は脱水に気づきにくく、短時間で熱中症に進行します。
乳児や幼児は体温が上がりやすく、体内の水分も少ない。
ベビーカーを押したまま締め出されたら。
子どもが汗をかきながら泣き続けたら。
それは数分単位で危険領域に入ります。
「スマートだから安全」という思い込み

今回の事例で最も恐ろしいのは、電池残量が80%と表示されていたことです。
人は数字を信じます。
80%あれば大丈夫だと思います。
しかし表示はあくまで推定値です。
実際の出力が保証されているわけではありません。
特に冬場は、アルカリ電池の出力が急激に落ちることがあります。
無線のスマートロックの場合は片側の低電力化で誤作動が起きたり、作動しなかったりする可能性が有線と比べて多いです。
表示上は残っていても、瞬間的な電圧低下で動作不能になることは珍しくありません。
つまり、「まだ大丈夫」の表示が、最後の安心材料になってしまいます。
ここが最も危険なのです。
子どもが帰宅して入れなかったら
最近は、子どものためにスマートロックを導入する家庭も増えています。
鍵を持たせなくていい。暗証番号や顔認証で入れる。便利です。
しかし、
- 電池が突然切れたら?
- 低電力通知が出なかったら?
- 真冬の夕方、暗くなる時間帯だったら?
子どもはどうしますか。
スマホを持っていない年齢なら、連絡も取れません。
公園で時間をつぶすしかないかもしれない。
知らない人に助けを求める可能性もあります。
便利は、常に安全を保証しているわけではありません。
単身高齢者のゴミ出し
現場を回っているとよく聞くのが、「ちょっとゴミを出すだけだった」「宅配を受け取るだけだった」という言葉です。
鍵を持たずに一歩外へ出る。
ドアが閉まり、自動施錠される。そして開かない。
スマートロックは自動施錠が便利な機能です。
しかしそれは同時に、自動で自分を締め出す機能にもなります。
これはメーカーの問題だけではない
今回の問題は、特定メーカーだけの話ではありません。
無線電池式スマートロックは、すべて「電力がなければ動かない」という前提の上にあります。
電子制御は、突然死します。
予兆なく止まることがあります。
問題は、「止まってしまった場合にどうなる事が前提の設計なのか」
そこです。
締め出される設計なのか。
それとも、最後の逃げ道が用意されている設計なのか。
ここに安全性の差が出ます。
スマートロックは本当に安全か?
スマートロックが便利であることは間違いありません。
鍵を持ち歩かなくていい。
遠隔操作できる。
履歴も見られる。
しかし、安全を守るのは便利機能ではありません。
安全を守るのは、然るべき時に必ず開閉できる設計です。
今回の真冬の締め出しは、偶然ではありません。
電池式・電子制御式・Bluetooth無線という仕組み上、起こり得る現象です。
そしてそれは、高齢者、子ども、乳児がいる家庭ほど、深刻なリスクになります。
